この記事では
たらことは
明太子とは
たらこと明太子の違い
たらこと明太子のカロリーとは
たらこと明太子は体に悪いのか
明太子と辛子明太子の違い
辛子明太子の原材料
についてまとめました。
たらことは
たらこは主にスケトウダラの卵巣を塩漬けにしたものです。
スケトウダラ以外にもマダラの卵巣で作られることもあります。
現在流通しているものはほとんどがスケトウダラの卵巣のようです。
鱈の子であることから「たらこ」と呼ばれるようになりましたが、昭和中期以前は「鱈の子(タラノコ)」と呼ばれる方が一般的だったようです。
1696年に遠藤元閑によって書かれた『茶湯献立指南』によると「鱈の子は北国より出る名物也」とあり、少なくとも江戸時代前期にはすでに日本に存在し、食されていたと考えられます。
昔からスケトウダラは北国でよく水揚げされる魚で、日本では北海道が一大生産地となっています。
明治時代にスケトウダラの漁獲量が増え、たらこは全国に広まっていきました。
スケトウダラはマダラより味が劣るため、その魚卵を有効利用しようとしたのが始まりのようです。
明太子とは
明太子もたらこと同じスケトウダラの卵巣を塩漬けにした加工食品です。
唐辛子を使用した「辛子明太子」の意味で「明太子」という名を使うことが多いですが、本来は唐辛子を使用しない塩付けのものを指します。
辛子明太子発祥の地福岡や山口では「明太子」を注文すると「たらこ」が出てくるそうで、しっかりと意味を分けて使われている様です。
明太子のルーツは韓国で、韓国語でスケトウダラを意味する「明太(ミョンテ)の子」なので明太子と名付けられました。
2008年に出版された『明太子開発史』には、明治40年代に朝鮮半島において日本人の樋口伊都羽が明太子製造問屋を創業したと書かれています。
その後樋口の問屋は廃業してしまいますが、この樋口商店の明太子が終戦後日本に渡ったことが日本での明太子のルーツと考えられています。
たらこと明太子の違い
たらこと明太子は本来同じものということがわかりました。
日本語で「鱈の子」か韓国語で「鱈(明太・ミョンテ)の子」かの呼び方の違いです。
どちらも主にスケトウダラの卵巣を塩付けにした加工食品になります。
最近では「たらこ」は塩漬けの辛くないもの、「明太子」とは唐辛子などでたらこに辛味を付けたものという認識が広がっています。
これは、日本に辛子明太子を普及させる際、博多「ふくや」が辛子明太子を「明太子」として売り出したからと言われています。
日本には江戸時代から北国で作られてきた塩漬け「たらこ」があったので、はっきり区別し覚えやすくするためにそうしたのかもしれません。
たらこの原材料はスケトウダラだけでなく、マダラも使用することができますが、辛子明太子に関しては必ずスケトウダラの卵巣と唐辛子を使用する決まりが「辛子明太子食品の表示に関する公正競争規約」というものに定められています。
たらこと明太子のカロリーとは
100gあたりのカロリーは下記のとおりになっています(厚生労働省 食品成分データーベースより)
カロリー、たんぱく質、脂質において、明太子よりたらこが上回っています。
- たらこ 131キロカロリー
- 明太子 121キロカロリー
※たらこは、「生たらこ」の値です。
※明太子は「からしめんたいこ」の値です。
たんぱく質については、下記のとおりです。
- たらこ 24.0g
- 明太子 21.0g
脂質についても、たらこの方が高くなっています。
- たらこ 4.7g
- 明太子 3.3g
しかし、食塩相当量については、下記のとおり、明太子の方がより高めです。
- たらこ 4.6g
- 明太子 5.6g
たらこと明太子は体に悪いのか?
どちらもビタミンが豊富で、魚が原料のためDHAが豊富です。
まず気を付けたいのが食塩量です。
日本人は塩分の摂取量が多いことはよく知られているでしょうが、厚生労働省が基準として定めている数値目標は下記のとおりです。
男性・・・・7.5g未満
女性・・・・6.5g未満
実際、男女ともに、この数値の2-3gをオーバーしているのが現状です。
高血圧などの疾患を持っている場合は、6g未満を目標にする指針となっています。
100gあたりの食塩量は高く、たらこは4.6g、明太子は5.6gなので容易に上回ってしまう可能性があります。
さらに生のたらこよりも、焼きたらこにした場合はカロリーから食塩相当量まで上がっています。
特に、焼きたらこの食塩相当量は、4.6g→5.3gになるので、どちらの食品も、食べ過ぎには注意が必要です。
また、食塩だけでなくコレステロールも多く、生活習慣病を発症することも考えられますので、気を付ける必要があります。
辛子明太子と明太子の違いは?
「明太子=辛子明太子」という認識が広がっていますが、本当は別のものです。
塩漬けされたスケトウダラの卵巣を「明太子」、明太子を唐辛子を使った調味液に付けたものを「辛子明太子」と呼ぶのが本来の呼び名です。
辛子明太子を明太子と一般的に呼ぶようになったのは、辛子明太子を日本に普及した博多の「ふくや」が辛子明太子を販売する際に「明太子」として売り出したことが元々の理由のようです。
辛子明太子の原料は?
先にも少し触れましたが、辛子明太子の原料はスケトウダラの卵巣と決められています。マダラなど別の魚の卵巣を使用した場合は「辛子明太子」と呼ぶことはできません。
全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会の規約に、“「辛子めんたいこ」とはすけとうだらの卵巣(卵を含む。)に唐辛子を原料とする調味液等で味付けしたものをいう。“と明記されているからです。
たらこの原料に指定はありませんが、「辛子明太子」ははっきりと原料が定められているのです。