ベーキングパウダーと重曹の違いとは
この記事では
・ベーキングパウダーとは
・重曹とは
・ベーキングパウダーと重曹の違いとは
についてまとめました。
ベーキングパウダーとは
ベーキングパウダーは、薄力粉などで洋菓子を膨らませるときに混ぜて使います。
炭酸水素ナトリウム(重曹の成分)と、ガスの発生をたすける酸性剤を組み合わせ、さらに保存性を高めるための分散剤が配合されています。
炭酸水素ナトリウムに酸性を混ぜると綺麗に菓子を焼き上げることができ、また食品の味わいに影響を与えづらいことから、この配合での開発が進みました。
19世紀に初めてイギリスで特許がとられ、その後アメリカでも開発がすすみ販売されるようになりました。
日本でいつベーキングパウダーが登場したのかは不明ですが、第二次世界大戦中において電気で焼き上げる「電気パン」を焼くため、ベーキングパウダーを使用したといわれています。
重曹とは
重曹は、重炭酸ソーダ(重炭酸曹達)の略で、ベーキングソーダともいいます。化学名は、炭酸水素ナトリウムです。
料理や掃除、消臭・吸湿など多目的に使うことができます。
重曹は弱アルカリ性の水溶性のため、掃除では酸性の汚れに使うと効果を発揮します。
皮脂汚れや油汚れを落とすのに有効です。
一方、アルカリ性の水垢の汚れを落とすのは不得意という性質があります。
科学の実験などで、「カルメ焼き」を作ったことはありますか?
水と砂糖を加熱したところに、重曹をいれて膨ませたお菓子です。このとき重曹を入れなければ、べっこう飴になります。
料理では他にも、野菜のアク抜きにも使用できます。
料理に重曹を使う時は、食用に適している重曹として販売されているものかチェックした上で使ってください。
ベーキングパウダーと重曹の違いとは
ベーキングパウダーの中の主な成分として重曹があります。
膨らむという効果は同じですが、重曹とレモン果汁(酸性)を組み合わせると洋菓子が良く作れると発見されたことにより、ベーキングパウダーの成分が研究開発されました。
洋菓子を作るときにはベーキングパウダーの方が良いでしょう。
焼き色や、味を損なうことはありません。
また、掃除にベーキングパウダーを使うとき、重曹ほどの効果が出るとはいえません。
ベーキングパウダーの成分に重曹が含まれているとはいえ、焼き菓子のために開発されたものになるためです。
一方で、重曹は焼き色が濃くなり独特の苦味を感じます。ですが、どら焼きなどの和菓子に使われています。
作りたい料理にあわせて使用することがお勧めです。
ベーキングパウダーと重曹の危険性は?
重曹は自然界に存在する成分で出来ており、海を汚さない地球に優しい成分です。
SDGsで環境問題が重要視されている今、化学物質の洗剤よりも重曹の評価が高まっています。
人体への悪影響は基本的にはありません。
ですが、ベーキングパウダーは製造過程でアルミニウムが使用されており、幼児の摂取に影響があると考えられたことから、アルミフリーのベーキングパウダーが発売されています。
ベーキングパウダーと重曹を飲むとどうなる
重曹を水に溶かして飲む「重曹水」は、適切な量を摂取すればダイエットや便秘解消、二日酔いに良いといわれています。
ベーキングパウダーはそもそも洋菓子のために作られたもので重曹の他にも保存性を高めるための配合剤等が入っているので、水に溶かして飲むために作られておらず不向きでしょう。
ですが、重曹水を一気にたくさん飲んだり、一日の摂取量を取りすぎないように気をつける必要があります。
1日の限度は3g程度です。
かえって胃を痛める原因になります。また、重曹には塩分が含まれているため、高血圧や腎機能等の持病がある方、子供や妊娠中の方は控えてください。